秋田県美郷町が舞台のクリエイターインレジデンス

北のくらし研究所について

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秋田県美郷町が舞台の クリエイターインレジデンス
北のくらし研究所について

秋田県美郷町の『くらし』から気づく

東北屈指の清水の郷・美郷町

本州北部の山地にある秋田県。その南東部に位置し、都心から電車と車を乗り継いで3時間半ほどの場所にある美郷町は「水の郷百選」に選定される水の豊かな郷。奥羽山脈を望む町の各所からは地下水が湧き、流れる水が風光明媚な景色を生み出しています。

朝日や夕陽を映し出す水田、暮らしに寄り添うように流れる水路、季節によってさまざまな彩りを見せる自然。美しい水のある暮らしや、どこか懐かしい風景は、日本人のこころの豊かさであり、原風景とも言えます。

「北のくらし研究所」は、この美郷町が舞台です。

町のひとたちに愛された旧町役場

「北のくらし研究所」は、移転のために使われていなかった旧役場庁舎を利用した施設です。つまりかつて町民たちが集い、町のため、暮らしのためにと、さまざまなコミュニケーションが毎日のように行われていた場所でもあります。

ここにあるのは、国内外、町内外のさまざまな人々が美郷町に滞在しながら、文化活動や創作ができるレジデンス(宿泊施設)や、展示や交流のためのイベントを行うためのアートスペース、ネット環境が充実し、デザインやアートにまつわる本に親しみながら自分らしい時間を過ごせる。ここに訪れた方たちのアイデア次第でさまざまな使い方ができる施設なのです。

美郷町から日本全国、
そして世界へ

美しい水と寄り添いながら豊かな食や文化を育んできた美郷町には、雪深い地で、厳しい冬を乗り越えるためのくらしの知恵や、物語がたくさんあります。それは「クリエイション(創作)」の源流であり、ここに暮らすひとたちのドラマです。

その美郷町を舞台に、町外はもちろん、国内外から来た個性豊かな人々が住民とのコミュニケーションを通じて、美郷町に根付く文化の発信やものづくりを行い、それが輪となって世界へと発信されていく。その一連のプロセスの中に、美郷町や、ここに暮らすひとたちを豊かにするためのヒントが眠っていると、私たちは考えています。

この町にしかできないことを、この町全体で再認識し、世界中に発信したい。それがいまの、わたしたちの願いです。

代表役員

「北のくらし研究所」は共同代表の
3人の出逢いからはじまりました。
大切にするのはそれぞれの
「個」や「ひと」の魅力。
このまちで縁がつながり、
大きな輪になっていきます。

クリエイティブディレクター

Creative director

わいないきょうこ

Kyoko Wainai

国内外問わず様々な企業やデザイナーとのコラボレーションを通じ、バッグを主軸に多岐にわたるものを製作。舞台、映画などのコスチュームセットデザインも担当。

ブータン王国タラヤナ財団クリエイティブアドバイザーなどを続けながら美郷町にてくらしのデザインラボ『やぶ前』を企画運営。『PARK-いきるとつくるのにわ』秋田市主催の文化創造プロジェクトの一環として食をテーマとした『観察する』のリサーチ活動を主催。

『北のくらし研究所』ではクリエイティブディレクターを担当。

@kyokowainai

所長

Management director

奥山智佳等

Chikara Okuyama

地方公務員として、千畑町、美郷町に奉職し2023年3月末に退職。総務、企画、財政 農政、教育委員会などの多岐の分野を担当。

『北のくらし研究所』では、所長を拝命。個を大切に、人をつくり、暮らしを中心とし、文化を創造する組織を求め続ける。

@chikara_okuyama

プログラムディレクター・広報

Program director / PR

宮尾弘子

Hiroko Miyao

無印良品の商品開発に永く携わったのち、企画ディレクション部統括。企画展や芸術祭、BOOK 事業、IDEE 事業を担当。

『北のくらし研究所』では、プログラムディレクター、広報、SNS 関連を担当。

@miyaodesu

Support Member

役員

岡田茂義

Shigeyoshi Okada

扇田 亮

Makoto Ougida

堀田晴彦

Haruhiko Hotta

Staff

運営スタッフ

髙橋祐子

Yuko Takahashi

畠山陽子

Yoko Hatakeyama

佐々木英人

Hideto Sasaki

※ メンバーは随時更新予定です。

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はじまりの物語

Text:Hiroko Miyao Photo:Takugo Miwa

これは「北のくらし研究所」を立ち上げた共同代表の3人による座談会です。クリエイティブディレクターとしてまちの人たちとクリエイターの橋渡しとなり様々なコンテンツを生み出すわいないきょうこ(以下わいない)、そして所長を務める奥山智佳等(以下奥山)、プログラムディレクターとして広報を務める宮尾弘子(以下宮尾)が、それぞれの「はじまり」を話します。

宮尾:
北のくらし研究所(通称キタクラ)は、奥山さんとわいないさんの2人の構想をきっかけに始まりました。そのあと宮尾が加わりどんどんまわり出すわけなのですが…。まず、2人が出逢い、想いを形にするまでを教えてください。

奥山:
町役場に長く勤めながら、個人として、町の活性化のためにできることはないかずっと考えていました。というのも、この町では意外と町民同士で交わる機会が少なく、自分や賛同していただけるメンバーが積極的に動くことで何かが変わるのではと思いました。そして、やってみなくては始まらない、飛び込んでみよう…と思い、2014年5月に、美郷町で人と人や、団体と団体をつなぐ活動をしていた六郷地区の扇田亮さん、仙南地区の出雲広大さんの3人で、地域づくり団体 community design misato(通称CDM)をつくり、活動を始め、2019年6月に、美郷町六郷に「旧片桐時計店(通称カタギリ)」という場所を借りました。

わいない:
私は長らくロンドンを拠点にデザインの活動をしていましたが、2019年に帰国し、日本にも定住地とスタジオを作りたい…という気持ちで場を探していたところ、家族のルーツでもある美郷町にたどり着きました。所長の奥山さんは同じ美郷町で新たに物件を借りたもの同士、ご縁もあってあいさつに来てくださり意気投合しました。「冬のつららを見ながら過ごせるようなバーカウンターが欲しいね…」と近隣に住む4人でバーを見立てて楽しんだり。美郷町に住んで、失いたくない素晴らしい建物・風景にもたくさん出逢い、この魅力を伝えることが使命のように思えてきて。

宮尾:
そのような背景から、わいないさんが設計者の岡田さん、デザイナーの澁谷さんとともにコミュニティスペース「やぶ前」を2020年6月24日に立ち上げられました。「やぶ前」の物件は奥山さんが「カタギリ」を始める際にも紹介されたものと聞き、2人のご縁を感じます。ちなみに「やぶ前」はお蕎麦屋さん「やぶ茂さん」の前に位置するので「やぶ前」。この名前の由来もほほえましい。そこから2人は、さらにまちとの関わりを深めていきます。

奥山:
カタギリのこともあり、距離がより一層近くなりました。
そうすると気づくことも増えます。「キタクラ」のメンバーにもなっていただいた扇田さんと共に雪の時期に今まで手を付けられていなかったエリアの除雪を始めると、それによって子どもたちの通学路などもきれいになり保護者の方々から非常に喜ばれました。そうすると「やらなきゃな」と、もっとまちのことを考えるようになりました。

わいない:
わたしも「やぶ前」を運営しながら、人に触れ、まちに触れ、創作活動をもっとよりよくするための環境や、この地に終のすみかが欲しい…となってきました。

奥山:
そんな中、「キタクラ」の舞台となるこの元六郷町役場庁舎を有効活用するためのコンペがスタートするんです。4月下旬から企画の調整のお手伝いを始めましたが、役場が求めることに対しては、役場に勤めている私の経験が活かせると思いました。

宮尾:
提案書は奥山さんのアドバイスや、わいないさんの仲間たちの協力もあり完成。無事採択されました。これが1つ目のターニングポイントでしたね。

奥山さん:
昨年7月にわいないさんから呼び出しがありました。いつもと違う真顔で⋯。そこで「北のくらし研究所」の所長を頼まれることに。家族にも話をして、役場を退職して引き受けることを決めました。

わいない:
私は企画を推し進めることはできますが、組織化するための所長の立場の人が必要と考えていました。そこには、町のことを第一に考える奥山さんの存在が必要不可欠でした。

奥山さん:
そうして、「北のくらし研究所」の原型はスタートしました。進めれば進めるほど、民間の感覚で動ける経験のあるコアメンバーが足りないなと感じるように。役場で地域のみなさまとつながる自分、フリーランスで国内外のアーティストやデザイナー、モノづくりのメンバーとつながりのあるわいないさん。構成要素はたくさんありますが、ここをバッサリさばいてくれるような人はいないかな⋯。「あ、宮尾さんいた」と。そこでお願いをしてみました。

わいない:
それと同時に、宮尾さんが私たちの様子を「自分事」として覗いてくれているような気持ちも感じていました。3人がそろった瞬間。お互いの感覚が1つになっている実感があり。

宮尾:
すぐに OK してしまいました(笑)。おもしろそうだったし、必要としていただけるのは嬉しいことです。私も民間企業での経験を通じ、たくさんの才能あるデザイナー・アーティスト、モノづくりができるメンバーと出逢いました。そういう人たちとイーブンな関係で活動を推進できる環境を作りたいとずっと考えていましたから。

ここが2つ目のターニングポイントですね。

奥山:
今、とてもすっきりとした気持ちで「北のくらし研究所」を向き合っています。「役場を辞めてでも」という強い気持ちで参加しました。これからの立ち上げ、存続していくために、スピードを持って事業化に取り組んでいきたいと思っています。

宮尾:
北のくらし研究所を通じて、どんなことを実現したいですか?

奥山:
「キタクラ」は合同会社です。ただ「経営方針」という固いものはありません。「個」や「人」を大事にする場所でありたいと考えています。例えば移住者募集⋯を前に出すのではなく、ここに住むひとたちが幸せなら、まちにもっと人が来る。わいないさんは「北のくらし研究所」のコンセプトに共感する人々を呼び、活動につなげてくれます。そして運営スタッフとして現場を支えてくれる髙橋祐子さん、畠山陽子さんは美郷のくらしをていねいに表現してくれます。宮尾さんも、メンバーである岡田さん、扇田さん、堀田さんにもそれぞれ想いがあります。これからどんどんプロジェクトメンバーも増えていくと思いますが、常にそれぞれの個を大切にし、活動の輪を広げる仕組みを作っていけたらと考えています。

宮尾:
一緒に広げていきたいです!本日はありがとうございました。

あいさつ 文・わいないきょうこ

あいさつ

文・わいないきょうこ

秋田県仙北市 美郷(みさと)町。 秋田県南に位置する奥羽山脈のすそ野。
仙北平野に広がる清らかな湧き水と豊かな自然の町です。
この美郷町は母のホームタウンであり、幼少時代に着物の縫製をしていた祖母を訪ね、来ていた土地です。
30数年間暮らしてきた英国から日本へと、ものづくりの現場を日本にと考えていたところに
このまちと再び出逢い、移住を決めました。

自分の身長を優に超す積雪とその分短い春、夏、秋の勢いと恵み。
それらと共に生きる人たちのくらしがここにあります。
コツコツと時間を惜しまずに根気のいる仕事に努める優秀な姿勢は、
この自然から生み出されたものだと確信を持つことになりました。
雪あかりの中で見る素材のもつテクスチャーを感じたり、色と対峙する時間は
このまちの水のように絶え間なく湧き上がるインスピレーションをもたらしてくれます。

そんなワクワクを少しでもいろいろなクリエイターにつなげたいと思うようになり、
また、訪れてくれたアーティストたちからのリクエストもあり、
「このまちにクリエイターインレジデンスを」、というプランを持つようになりました。
たまたま、3つのまちが合併することで使われなくなった元庁舎を発見できたこともラッキーでした。
構想を練りながら、企画に賛同するメンバーとも出逢いました。
その仲間たちと共に、今夏より 「北のくらし研究所」 をスタートいたします。

このまちにまだまだ潜んでいる人々や、このまちとつながることで生まれる新しいクリエイターたちとの輪。
ここでの活動が世界中に広がることを進めていきます。
タフな環境をプラスにする、特殊な土地でしかできないクリエイションが
この研究所の特色となっていけたらと思う今日この頃です。

アクセス

東京から新幹線で『大曲(おおまがり)駅』まで約3時間15分。
大曲駅から「北のくらし研究所」までは車で約15分。
大曲駅前でレンタカーを借りることができます。

東京からのアクセス

新幹線の場合

東京駅
秋田新幹線こまち

約3時間15分

大曲駅
大曲バスターミナル

羽後交通バス

約20分

六郷上町バス停

※ 秋田空港・秋田駅・大曲駅で
レンタカーをご利用いただけます。

新幹線の場合

羽田空港
JAL・ANA 直行便

約1時間5分

秋田空港

リムジンバス

約40分

秋田駅

奥羽本線

約50分

大曲駅
大曲バスターミナル

羽後交通バス

約20分

六郷上町バス停

新幹線の場合

東北自動車道
秋田自動車道

約6時間30分

横手ICを出て
国道13号へ

約25分

北のくらし研究所 駐車場

周辺情報

北のくらし研究所をより快適に楽しむために